同音異義語

Japanese / 日本語

「可能性」と「蓋然性」の違い

【可能性(かのうせい)】実現する見込みがあること

【蓋然性(がいぜんせい)】ある程度確かな見込みがあること

「可能性」と「蓋然性」とは、どちらもそうなることが予想される状態にあること・さまを表す語です。

「可能性」は、そうなることの確実性の度合いが高い場合にも低い場合にも用いられます。
したがって、「可能性がある・ない」という表現だけでなく、「可能性が大きい・小さい(高い・低い)」という表現も可能です。

一方、「蓋然性」は、たぶんそうなるだろうと予測される場合に用いられる語です。「必然」と「偶然」の中間に位置するのが「蓋然」です。
つまり、「蓋然性」という語自体が確実性の度合いを限定しているので、「必然」または「偶然」と呼べるような場合にはこの語を用いることができません。

「可能性」はその「ある・なし」や「高い・低い」に言及することができますが、「蓋然性」はあるかないかだけであると理解したほうがわかりやすいと思います。

もっとも、以上のような理解に対しては、「可能性」はpossibilityの意味、「蓋然性」はprobabilityの意味であるととらえて、可能性は有無だけであり、蓋然性は程度を表すとする考え方もあります。

「可能性」の使用例
可能性が高い(大きい)
可能性が小さい(少ない・低い)
可能性が有る(無い)
可能性を秘める(はらむ)
可能性が残る
可能性を占う
予見可能性
実現可能性
「蓋然性」の使用例
蓋然性が有る(無い)

「固い」「硬い」「堅い」の違い

【固い】変化しにくい、結び付きが強い

【硬い】外力に強い、ぎこちない

【堅い】丈夫でしっかりしている、確かである

「固い」「硬い」「堅い」は、いずれも「かたい」と読む異字同訓の語です。

「固い」は、形や状態がふつうよりも変化しにくいようすや、結び付きが強いことを意味します。そこから、揺るぎない、厳格であるという意味を表すこともあります。

「かたまる」や「かためる」と読むときにも、「固」の字を用います。「粘土が固まる」「方針を固める」など。

「硬い」は、石や金属などの物が外から力が加わっても強く耐えるさまを意味します。また、緊張してぎこちない、ぎくしゃくしているようすを意味することもあります。

「堅い」は、中身が丈夫でしっかりしていることを意味します。そこから、確かで危ういところがないという意味や、まじめ・几帳面であるという意味を表すこともあります。

「かたい」の対義語は、意味によってさまざまです。

一般には「やわらかい(柔らかい・軟らかい)」ですが、「固い」では「緩い」が、「硬い」や「堅い」では「脆い(もろい)」が対義語になることもあります。

「固い」の使用例
布団が固い
固い肉(せんべい)
卵を固く茹でる
頭が固い
結び目が固い
固い握手を交わす
団結(結束)が固い
固い決意(信念)
固い友情
固く戒(いまし)める(禁じる)
固く信じる(断る)
「硬い」の使用例
石(合金)は硬い
硬い殻(から)を割る
表情が硬い
体が硬い
硬い表現(文章)
緊張で硬くなる
「堅い」の使用例
堅い材木
堅い守り
堅く(固く)結ぶ(結ばれる)
口が堅い(固い)
身持ちが堅い
財布の口(紐)が堅い
入選(合格点)は堅い
手堅い(てがたい)商売
義理堅い(ぎりがたい)
堅い職業
お堅い人
堅苦しい

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